令和3年度 八王子山王病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

各項目に関する集計条件および集計方法は、厚生労働省の指示のもと行われております。

DPCコーディングデータを使用し、下記の項目を算出いたしました。

集計対象

  • 令和3年4月~令和4年3月退院患者様であり、一般病棟に1回以上入院した患者
  • 入院した後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児は集計対象外
  • 臓器移植(『厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和4年厚生労働省告示第81号)』に規定)は集計対象外
  • 医科レセプトのみもしくは歯科レセプトありの患者

※患者数10未満の場合は『-』(ハイフン)

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
患者数 16 16 30 52 63 306 358 122

≪解説コメント≫
2021年度の全退院患者数は969人でした。そのうち60歳以上の患者様は全体の約90%を占めております。
高齢化が進む八王子市において、当院では急性期から慢性期と幅広い患者様の受け入れを目指し日々地域医療に取り組んでいます。
※患者数10未満の場合は『-』(ハイフン)で表示しています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

診断群分類別患者数等は、各診療科が多く取り扱っている疾患について上位5位までの患者数、平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
平均在院日数は自院と全国を比較することで効率的に診療を行っているかを評価することができます。
転院率は各疾患ごとの全退院数における他病院への転院患者数割合を示しています。

<内科>

  DPCコード DPC名称 症例数 平均在院日数 転院率

平均

年齢

患者用

パス

自院 全国
1 040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎_手術・処置等なし 53 40.36 20.57 7.55% 83.89  
2 0400800499x01x 肺炎等(市中肺炎以外かつ75才以上)_副傷病名あり 17 33.88 21.39 5.88% 86.29  
3 050130xx9900xx 心不全 15 33.73 17.35 0.00% 88.2  
4 040110xxxxx0xx 間質性肺炎 11 26.36 18.42 9.09% 75.82  
5 0400800499x00x 肺炎等(市中肺炎以外かつ75歳以上)_副傷病名なし 18.63  

≪解説コメント≫
内科の症例数第1位は、誤嚥性肺炎です。
特に、高齢や寝たきりの状態に伴う嚥下機能低下により、食物や唾液などの誤嚥によって引き起こされ、また口腔内の清潔が十分に保たれていないことや、栄養状態不良による免疫力低下も発症に関与されているといわれています。
※集計対象が「一般病棟に1回以上入院した患者様。」となっております。
当院は、“障害者施設等入院基本料”を算定している病棟があるため、一般病棟から転床した患者様も含めた日数で集計されております。それにより平均在院日数が長くなっている症例がございます。
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<外科>

  DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
転院率

平均

年齢

患者用

パス

自院 全国
1 060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍_アバスチン投与あり 22 1.23 4.54 0.00% 69.14  
2 060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍_ベクティビックス投与あり 16 4.00 4.72 0.00% 77.00  
3 060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15才以上)_手術あり 12 4.08 4.74 0.00% 72.75  
4 060060xx99030x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍_化学療法あり 6.55  
5 060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍_手術あり 15.76  

≪解説コメント≫
外科の主な症例は、悪性腫瘍(結腸癌)について化学療法や悪性腫瘍を切除する症例です。また、近隣の大学病院との病院連携が図られており、急性期治療を終えられた患者様の受け入れも行っております。 症例数第3位の鼡径ヘルニアは、慢性的な鼠径部への圧力に加え、加齢による腹壁の脆弱化によって鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)を発症します。当院ではメッシュと呼ばれる人工の網を使用し手術による治療を行っています。
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<整形外科>

  DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
転院率

平均

年齢

患者用

パス

自院 全国
1 160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折_人工骨頭挿入術あり 41 38.17 25.32 21.95% 83.39  
2 160690xx99xxxx 胸椎・腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 13 31.62 19.34 0.00% 79.92  
3 07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)_人工関節置換術あり 20.63  
4 160980xx99x0xx 骨盤損傷 19.02  
5 070370xx99xxxx 脊椎骨粗鬆症 21.19  

≪解説コメント≫
整形外科の症例数第1位は、股関節大腿近位骨折です。骨折の状態や部位により術式が変わり、手術の方法としてはネジやピン等で固定する骨接合術や、人工物に置き換える、いわゆる人工骨頭挿入術・人工股関節置換術を行っております。 多くは、高齢者の転倒による股関節・大腿骨の骨折と胸椎・腰椎の圧迫骨折の患者様です。次に骨粗鬆症となっております。年齢を重ねるにつれ骨は脆くなり、わずかな衝撃でも骨折してしまうケースも多く見受けられます。
当院では、股関節の骨折の治療に非常に力を入れており、早期手術・リハビリを実施し、患者様が少しでも早く日常生活に復帰できるよう努めております。
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<泌尿器科>

  DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
転院率

平均

年齢

患者用

パス

自院 全国
1 11080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍_前立腺針生検法あり 23 2.09 2.50 0.00% 74.74  
2 110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 13.14  
3 110070xx99x0xx 膀胱腫瘍 9.42  

≪解説コメント≫
当院では前立腺癌を調べるための前立腺針生検法を行っております。血液検査で「PSA」という検査値が高く、前立腺癌を疑われる方などが対象となります。検査方法は、痛め止めの注射を行い肛門から超音波の管を入れ、前立腺の位置を特定しながら針を刺し組織の一部を取り実際に癌があるかないかを調べる検査になります。
当院における入院期間は検査前後の管理を含め1泊2日で検査を行っております。発熱等の合併症により退院が延期する場合もあります。
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<血液透析科>

  DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
転院率

平均

年齢

患者用

パス

自院 全国
1 110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全_手術・処置等なし 16 56.38 10.39 6.25% 70.63  
2 060380xxxxx1xx ウイルス性腸炎_処置等あり 14.63  
3 110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全_手術あり 4.60  
4 110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全_処置等あり(人工腎臓 その他の場合) 13.74  
5 040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎_手術・処置等あり 36.45  

≪解説コメント≫
血液透析科の症例数第1位は、慢性腎不全です。慢性腎不全は生活習慣病との関連も深く、透析導入とならないよう降圧剤での血圧管理や、食事療法、症状に応じたお薬等での治療などを行い腎不全進行の予防が必要となります。腎機能の低下により老廃物等を体内からうまく排出できず、末期腎不全になると血液維持透析が必要となります。
当院では、安定した血液維持透析や、透析困難症や長期透析による様々な合併症を有する腎臓病に対しても血液維持透析を施行しています。大学病院からの急性期治療を終えた患者様の受け入れ、透析クリニックからの急性期治療の受入を行っています。また当院で治療が終えた患者様や・状態が安定した患者様の転院など近隣の病院やクリニックとの連携を図っています。
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<乳腺甲状腺外科>

  DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
転院率

平均

年齢

患者用

パス

自院 全国
1 090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍_トラスツズマブあり 11 1.73 4.21 0.00% 68.27  
2 090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍_パクリタキセルあり 3.94  
3 090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍_手術・処置等なし 9.61  
4 090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍_乳房部分切除術あり 5.88  
5 090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍_乳房切除術あり 10.15  

≪解説コメント≫
乳腺疾患の診断、治療および乳がん検診を行っております。乳がん検診では乳がんの疑いのある方を対象に精密検査を行い、早期の乳がんの発見に努め、乳がんと診断された方には、手術、術前・術後化学療法、内分泌療法、対症療法など、治療を受けられる患者様に適した治療を行っております。
※患者数10未満の場合は『-』(ハイフン)で表示しています。

初発の5大癌のUICC病期分類並びに再発患者数

初発の5大癌のUICC病期分類ならびに再発の実患者数を示しています。
「初発」とは、自施設において、当該腫瘍の診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合を指しています。
「再発」とは、自施設・他施設を問わずに初回治療が完了した後、自施設にて患者を診療した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指しています。
StageⅠが進行度が低く、StageⅣが最も進行した病気を表します。

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
I II III IV 不明
胃癌

大腸癌 23 32 1 8
乳癌 12 16 1 8
肺癌
肝癌

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

≪解説コメント≫
当院では、悪性腫瘍(癌)の診断・治療(手術/化学療法)を目的とした患者様の入院も受け入れております。
当院にて対応困難な症例については、適宜、大学病院や希望される専門施設へ紹介を行っております。
※患者数10未満の場合は『-』(ハイフン)で表示しています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

入院契機病名および最も医療資源を投入した傷病名に対するICD10コード(※1)がJ13~J18で始まるものに限定し、成人(20歳以上)の市中肺炎(※2)の患者様について重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。
重症度は、成人市中肺炎(※2)診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(A-DROP)(※3)により分類しています。

  1. ICD10(疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類です。(引用元:厚生労働省HP 疾病、傷害及び死因の統計分類)
  2. 市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎です。肺結核、院内肺炎、日和見肺炎、閉塞性肺炎、嚥下性肺炎、慢性下気道感染症の急性増悪などを充分に識別する必要があります。
  3. 重症度分類システム(A-DROP)

   ①男性70歳以上、女性75歳以上
   ②BUN21以上または脱水あり
   ③SpO2(酸素飽和度)90%以下
   ④意識障害(肺炎に由来する)
   ⑤血圧(収縮期)90mmHg以下
  上記5点満点(1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点…)

  • 軽症=0点の場合
  • 中等症=1~2点の場合
  • 重症=3点の場合
  • 超重症=4~5点の場合(ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする)
  • 不明=重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。
  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症
重症
超重症
不明

≪解説コメント≫
肺炎は重症化する危険性が高く、抗生剤を使用した治療行います。また重症度に比例し入院日数も長くなる傾向にあります。退院後に安心して日常生活を送れるように、入院中は理学療法(運動器や呼吸器療法等)を行っております。その他に、食欲低下から嚥下障害を生じる事も多く、栄養サポートチーム(NST)による回診も行っております。
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脳梗塞のICD10(※1)別患者数

脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示したものです。また、それぞれ発症から3日以内の入院とその他に分けて集計しています。転院率は病型ごとの全退院数における他病院への転院患者割合を示しています。

ICD10(疾病および関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類です。(引用元:厚生労働省HP 疾病、傷害及び死因の統計分類)

発症日から
入院までの期間
患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内
その他

≪解説コメント≫
脳梗塞が起こり、脳細胞が徐々に壊死すると、その周囲からは有害なフリーラジカル(活性酸素)という物質が発生します。そのフリーラジカルは、まだ壊死していない 回復可能な領域である「ペナンブラ」を破壊します。そこで、フリーラジカルの働きを抑え、脳の障害を防ぐエダラボンという薬を使う『脳保護療法』が行われます。発症後に素早く対応することにより患者様のQOL(生活の質)の向上に努めております。
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診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

診療科別主要手術上位5位の患者数、術前および術後の平均在院日数、転院率、平均年齢を示しています。
転院率は術式ごとの全退院数における他病院への転院患者割合を示しています。

<内科>

  Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率

平均

年齢

患者用

パス

1 K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置 16 83.38 202.75 25.00% 85.44  
2 K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 11 3.45 1.73 0.00% 78.91  
3 K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術  
4 K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(シャント造設術)(単純なもの)  
5 K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法  

≪解説コメント≫
当院の内科では、中心静脈注射用植込型カテーテル法を行っております。経口摂取が困難となり長期的・継続的に点滴を行う方への、高カロリー栄養剤投与のためカテーテルを体内に植え込み、テーテルからの栄養管理(静脈栄養注射)を行う手術を行っています。
症状が改善しても自立生活が困難な方も多く術前・術後の日数が長くなる傾向であります。
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<整形外科>

  Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢

患者用

パス

1 K0461 骨折観血的手術(大腿・上腕) 34 5.50 34.06 11.76% 83.62  
2 K0821 人工関節置換術(股・膝) 16 9.13 46.13 37.50% 77.69  
3 K0462 骨折観血的手術(下腿・前腕)  
4 K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿)  
5 K0484 骨内異物(挿入物を含む)除去術(鎖骨)  

≪解説コメント≫
当院の整形外科では、高齢者に多くみられる転倒を起因とする大腿骨骨折や四肢等の骨折が大半を占めております。
術後は必要に応じ、在宅復帰に向けての早期にリハビリ開始や、管理栄養士による栄養管理や食事内容の検討、医療相談員の介入によるリハビリ病院やその他施設への転院の対応等も行っております。
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その他(DIC(※1)、敗血症(※2)、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、この表に示す4つの傷病名について、入院契機となった傷病名の同一性の有無を区分して患者数と発生率を示しています。これらの傷病名が全くないとすれば重症な症例を扱っている医療機関としては不自然であり、多すぎることも問題となります。入院契機が異なるものは入院中に基礎となる疾患が重症化したと考えられます。
発症率は令和3年4月~令和4年3月の全退院患者に対する発症割合を示しています。

  1. 播種性血管内凝固症候群(DIC)とは、さまざまな理由によって血管内で血液凝固系が活性化され、全身的に血管内で血液が凝固し、細小血管に多数の微小血栓(けっせん)を生じる病態のことです。(引用元:病気事典〔家庭の医学〕)
  2. 敗血症とは、肺炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)など生体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。背景として悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病(こうげんびょう)といった基礎疾患がある場合、あるいは未熟児、高齢者、手術後といった状態である場合が多いとされています。(引用元:病気事典〔家庭の医学〕)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群(DIC) 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる

≪解説コメント≫
高齢者の呼吸器疾患(肺炎等)は、重症化する事が多く、その加療中に発生する合併症の早期発見に努めています。
また当院では手術や処置の際に起こりうる合併症について、事前に十分に説明を行い、発症が最小限になるよう努めています。
※患者数10未満の場合は『-』(ハイフン)で表示しています。